2020
27
Aug

梶原一騎

「うそつきめ!」巨人の星の真実

星一徹といえば「ちゃぶ台返し」が有名で、時々激怒しては、娘明子が家計をやりくりして作った料理を台無しにしてしまう頑固親父のイメージが広く定着しました。しかし、実際は料理をひっくり返す理不尽な場面は殆ど出てきません。では何故多くの人が、星一徹=「ちゃぶ台返し」と思うようになったのかというと、毎回アニメのエンディングの1シーンとして、この記事のフィギュアになっている場面が必ず流れるので、強く人々の印象に残ったためと言われています。
このシーンは、他のフィギュアシリーズでも使われていて、タイトルは「うそつきめ!」ですが、ちなみにこれも正確には「ちゃぶ台返し」ではありません。
飛雄馬は大リーグボール養成ギブスを人に見せないと約束していたのに事情があって見せてしまい、それが一徹にバレた時、「うそつきめ!」と殴られます。その時一徹は勢い余ってちゃぶ台を押しのけてしまい、料理が落ちそうになったもので、意図的ではなく寺内貫太郎状態ではないのです。
巨人の星は、ありえない大リーグボール、燃える瞳と滝のような涙、一球投げるのに一話を要する、などツッコミどころ満載ですが、描こうとしたテーマは「父と子」の壮絶なヒューマン(飛雄馬)ドラマだったと思います。

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