2020
22
Oct

文化

伊藤若冲「動植綵絵」が京に帰って来る!

海洋堂のガチャガチャ「京都みやげシーズン2」の伊藤若冲作「向日葵雄鶏図」(HIMAWARI-YUKEIZU )です。
前回の記事で、「大阪みやげ」の大阪のおばちゃんと対比して「京都みやげ」の舞妓や茶道具を出してしまい、文化の違いだのと失言してしまいましたが、やっぱり京都の文化は多彩ですね(こういう発言をするから京都人は嫌われる)

「向日葵雄鶏図」は、江戸時代の天才絵師若冲の代表作の一つである動植綵絵(どうしょくさいえ)30幅の一つです。あの超絶技巧の絵をガチャガチャで再現するのはある意味無謀だと思っていましたが、とあるお店で「京都みやげ」のバラ売りを見つけ、「京都みやげ」ではこれだけ買いましたが、安かった(発売価格500円より安いまさかの120円…)。

動植綵絵全30幅は、釈迦三尊図の3幅とともに相国寺(御所の北、同志社大学と同志社女子大学の間にある)に若冲が寄進したものですが、明治の廃仏毀釈の波で相国寺が窮乏し、釈迦三尊図は寺に残して動植綵絵は明治天皇に売却ではなく献納(お金は頂戴した)されました。
で、以来この動植綵絵全30幅が揃って一般公開されることは滅多にありません。実は京都では、もう20数年前に一度だけ相国寺の美術館で、100数十年ぶりに釈迦三尊図と動植綵絵が同時公開されました。この時は仕事が多忙を極めていたためだったと思いますが、見に行けず後悔したのを思い出します(妻や知人は長蛇の列に並び、250年以上経った今も変わらない極彩色にいたく感動していた)。

最近はTVでも若冲の特集をよくやっていて、信じられないその超絶技巧を解説しています。レースの様に透き通るほのかな金色の鳳凰の羽は、絵の裏側に色が塗ってあります(裏彩色)。菊の花は、墨の濃淡だけで花びらの一枚一枚の輪郭を描いています(筋目描き)。

本物が見たいけど東京までは行けない。で、京都の細見美術館に動植綵絵全30幅の絵葉書が販売されているのを知り買いに行きました。今は、トイレの壁に並べて毎日見ています。トイレに飾るのも何なんだかですが、上の画像の背景がその一部、下の画像が全景(?)です。ちなみに1番上の列の左から2番目が「向日葵雄鶏図」です。

そして、ついに動植綵絵の本物を京都で見る機会がやってきました!。全30幅は見れませんが、そのうち8幅が京都国立博物館の「皇室の名宝」(10月10日から11月23日)で展示されます。前期と後期で展示替えされる(ひどい、あんまりだ)ので2回行く必要がありますが、どちらも事前申込みしました。まだ見ていない方、ぜひ一度ご覧になってはいかがでしょうか。(例によってフィギュアとほぼ関係ない話で、京博の番宣みたいになってしまいました)