2021
28
Aug

広重歴史海洋堂

歌川広重 立体組上絵

海洋堂のカプセルトイの「歌川広重 立体組上絵」。江戸時代末期の絵師歌川広重の浮世絵を立体再現したものです。
西洋の芸術家に多大な影響を与えた浮世絵、当初は輸出陶器の梱包紙だったのが評判になったという話は有名ですが、浮世絵といえばやっぱり葛飾北斎と歌川広重でしょう。中でも歌川広重の名所絵は大胆な構図とともにいろいろ”暗号”も隠されていてお気に入りです。もちろん本物がほしいですが到底無理、そんな時ガチャガチャがあったのでつい買ってしまいました(ギャップ激しいけど仕方がない。でもクオリティーはさすが海洋堂です)。

「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」
ゴッホも模写した代表作の一つ、雨の描写と対岸(安宅)や雨雲のぼかし技術が凄いです。(右は原画)「名所江戸百景 亀戸梅屋敷」
こちらもゴッホが模写した、世界一有名な梅の木です。この梅は「臥竜梅」と呼ばれる有名な梅でこの木にだけ立札があるそうで、それが左端の立札(裏向き!)と足(半分だけ!)で描かれています。「東海道五拾三次 箱根 湖水図」
“天下の険”と呼ばれる箱根の急峻な山々の間を蟻のような大名行列が進んでいきます。その先はヒロシゲブルーの芦ノ湖が広がります。

「東海道五拾三次 庄野 白雨」
突然の夕立と強風に駆け出す人々、駕籠の覆いもまくれています。遠くに濃淡で描かれる二重の竹藪が強い風と奥行きを感じさせます。

「東海道五拾三次 由井 薩埵嶺(さったれい)」
険しい薩埵峠から望む雪に覆われた富士と青い駿河湾。切り立つ崖から旅人も恐々覗き込んでいます。「東海道五拾三次 桑名 七里渡口(しちりのわたしぐち)」
港に突き出しているのは桑名城。満員の乗客を乗せた2隻の帆船が帆を降ろして港に入ってきます。波の表現がいいですね。

【おまけ】「名所江戸百景 浅草田圃酉の町詣(あさくさたんぼとりのまちもうで)」*フィギュアは発売されていません
先日、NHKで浮世絵ミステリー「東京前夜 ~広重の暗号~」という番組を放送していました。それを見ていると、この浮世絵に隠された暗号とその読み解き方は…
窓の外、遠くに田圃道を鷲神社の酉の市の熊手を持った行列が見えます。はめ殺しの窓は吉原の特徴、壁紙に吉原雀、猫は芸妓を意味することから、ここは吉原の遊女の控屋のあった浅草田圃。畳の上には酉の市の客の土産か熊手のかんざしが転がっていて、(拡大しないとわかりにくいですが)そのうちの2本目だけは松茸の図柄が描かれています。これは襖の奥では遊女がお仕事の真っ最中であることを意味しているとか。なるほど…
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