2021
25
Dec

仏像立体図録

仏像立体図録 Ⅰ 阿修羅と風神・雷神

海洋堂のカプセルQミュージアム「日本の至宝 仏像立体図録」シリーズの第 Ⅰ 弾 全7種です。
全7種と言っても実は登場する仏像は、阿修羅、風神、雷神の3種類だけで、それぞれにブロンズver.と象牙ver.があります。(阿修羅のみ木彫とレアなフル彩色あり)

仏像にも序列と役割があり、①「如来」 ②「菩薩」 ③「明王」 ④ 「天」 の4種類に大きく分かれます。詳しくは、以前のブログをご覧ください。
「仏像立体図録 Ⅴ 邪気を祓う守護神編」

阿修羅阿修羅は「天」に属し、釈迦を護る八人の警備隊(八部衆)の一人です。第 I 弾で登場するのは奈良興福寺の阿修羅像で仏像界で圧倒的人気のNO.1アイドルです。
もともと、阿修羅は悪神でしたが帝釈天との戦いに敗れ、釈迦の説法で戦うことの虚しさを学び善神へと変わったといわれています。
三面六臂(さんめんろっび)と呼ばれる、3つの顔と6本の腕を持ちます。(臂はひじのこと)
3つの顔は微妙に異なり、「反抗する幼い少年(左)」「悩める思春期(右)」「迷いを断った青年(正面)」の顔で少年の成長を表しているといわれます。(このフィギュアの顔は5ミリ程度しかありませんが、微妙な表情の違いが窺えるところはさすが海洋堂です。)
6本の腕は今は何も持っていませんが、本来は1番高い腕には太陽と月、2番目の腕には弓と矢を持っていたそうです。

風神と雷神
風神・雷神も「天」に属します。千手観音菩薩の専属警備隊(二十八部衆)との戦いに敗れ、警備隊の家来になったそうです。(屏風図とかで超有名なのに立場は意外に地味だったのね)

修羅場
ところで、阿修羅は悪神で帝釈天と戦って敗れたとのことですが、この話の元になる神話があります。
そこでは、阿修羅の美貌の娘に帝釈天が一目惚れし攫っていきます。怒った阿修羅が帝釈天と戦うのですが、そのうち娘は帝釈天を好きになり正式な妃になります。それでも阿修羅の怒りは収まらず、娘の夫と泥沼の争いを続けるのですが、これで悪神呼ばわりは可哀想です。色恋はもつれるとどこの世界でも「修羅場」になります…
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