2023
22
Jan

タイムスリップグリコ

「金食い怪獣の孤独」新タイムスリップグリコ第3弾

食玩の元祖にして王道のグリコが、大人向けに発売した海洋堂製作の「タイムスリップグリコ」(なつかしの20世紀フィギュアコレクション)シリーズです。
今回は、「タイムスリップグリコ第3弾」(2003年発売)の中の”ウルトラシリーズ全6種”。
どれも構図や細かなディテールまで素晴らしい出来栄えですので、細部もあわせて紹介します。

「ウルトラQ」より(3種)

「金食い怪獣の孤独」お金に執着する少年は、ある日お金の音がする繭を拾い育てますが、やがて繭に取り込まれ怪獣カネゴンとなってしまいます。これまでの自らの行動を後悔しうなだれるカネゴン…毎日お金を食べ続けなければならない体になり、胸のコインカウンターがゼロになると死んでしまいます。口にチャック!(昔は”黙ってなさい!”をこう言いました。)

「疾走する怪人」設定は2020年の未来(もう過ぎてるやん)からやってきた宇宙人ケムール人。自らの肉体の老化を抑える為に人間の体を求め地球人を誘拐します。パトカーに追いかけられても電柱や看板をすり抜けて笑いながら疾走します(フィギュアでも電柱と看板をすり抜けてる)。
驚いて腰を抜かす酔っ払いのおっさん。黄色い横断旗や宴会芸の鼻メガネまで再現されています。(こんな所にも当時の文化を感じる)。流れ出す青い液体に触れると人間は一瞬で宇宙だったか未来だったかに飛ばされます。

「金食い怪獣の孤独」と「疾走する怪人」(合体)ウルトラQでカネゴンとケムール人が一緒に登場するシーンはありませんが、電柱で一体化できるという粋な仕様。同時に何としても2つ揃えたくなる困った仕様でもあります。

「ペギラが来た」南極に現れた冷凍怪獣ペギラ。翼のしわや顔、流氷など細部まで描かれています。ペギラに踏んづけられる南極観測船、船体が折れそう…

「ウルトラマン」より(3種)

「ヒーロー登場」全長40メートルのウルトラマンがビル街に登場。首都高が壊され、車が横転しています。首都高が壊されたのは巨大化するウルトラマンのせいではありません…たぶん

「宇宙人ビル街に現る」ビル街に現れたバルタン星人。ビル一棟だけを切り取って巨大なバルタン星人を演出する大胆な構図。バルタン星人を説得あるいは交渉に来たのか、屋上には科学特捜隊の姿が。手に銃を持っているので後ろの隊員は恐らくアラシ隊員。こんな感じ?

「地底怪獣出現」 アスファルトの道路を突き破って突如出現した地底怪獣テレスドン。舞い上がる土煙や崩壊するビル、滑り落ちる戦車など一瞬を再現したジオラマです。
この頃の食玩では、炎などを再現するのに半透明なクリア素材がよく使われました。後ろからライトを当てるとこんな風に光って雰囲気が変わるのですが、今回はたぶん土煙なのに違うものになってしまった。ビルの裏側も崩れ落ちる様子が丁寧に描かれています。絵コンテは樋口正嗣氏、原型師は竹谷隆之氏という豪華な組み合わせです。

たかがオマケの域を超えたクオリティ。大量のオマケづくりを支えたのは内職の方だったのか定かではありませんが、いずれにしてもこんな小さな物にコツコツ仕事をされた方々には頭が下がります…

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